合気道には座ってやる技がある
正座しながら技をかける
合気道には、自分と相手がともに正座した状態で行う「座技」と、自分は正座して相手が立った状態で行う「半身半立ち」という2種類の座り技があります。
これも合気道特有の動きではないでしょうか。
まずは基本動作
座り技を稽古するには、まず基本動作ができないといけません。
その基本動作とは、膝行(しっこう)です。
膝行は、正座した状態から、片膝を前に出して立て、その膝を下ろすのと同時に、もう片方の膝を前に立てることを繰り返すことで、座りながらにして前進することができます。
そしてなんと後ろにも下がります(笑)
さらに前に出した膝を床につけたところを起点にして、くるりと1回転したり、2回転したりします。
これは、稽古を繰り返し、慣れないとなかなかできません。回転してるときにふらついたりしてしまいます(涙)
この膝行は、小学生以下の子どもたちのほうが早く習得できる傾向にあるようです。上手な子は走るのと変わらないくらいのスピードで進んでいてビックリしてしまいます。
そして、技へ
膝行ができるようになって、座技や半身半立ちの技の稽古ができます。
単純に立ち技でやるのを座ってやるので、一見簡単そうにも思えますが、立ってできるものでも座ってやるとなると身体が言うことを聞きません。日常生活でそんな動き、しないですもんね。
ただ、江戸時代などのお城での作法では、正座して控えた状態から目上の人に近づいていくときには、立ち上がって歩くのではなく、膝行でにじり寄っていたようです・・・
また、半身半立ちでは自分は座って相手は立っているので、圧倒的に不利な状態から始まります。だから立ち技の時よりも、より技を正確に、間合いやタイミングもしっかりと合わせないと、技はかかりません。
ちなみに・・・
合気道を知らない人の前でいきなり膝行するとその動きに驚かれること間違いなしです。でもその驚きは、初めて見る動きに喜んでいるのか、気持ち悪い思いをしているのか、見極めないといけないでしょうね。
実際に、何気なく合気道の話題になったとき、ある女性いわく、
「合気道やってた男の先輩いたけど、急に膝で進んで近寄ってきたときは、正直キモい動きに見えた」
って証言していましたし・・・(涙)
ただ、そうはいっても、
膝行だけじゃなく、そこに回転の動作を入れると、日本舞踊のように優雅に見えてくるから不思議なもんです。
ではでは、また。
だいきち