合気道で怪我をさせない
けがが恐い
合気道に興味を持ってたとしても、いろんな不安が出てきて、実際に入門まではなかなか踏み切れないもの。その不安のひとつに、けがをすることへの恐れ、があります。
もう長いこと運動らしきことはやってないし、いまさら始めたらけがをするんじゃないか。ましてや、大人が本気で投げたり、関節技を極めたりしてる武道なんか尚更だよっていう気持ちになったりするでしょう。
合気道はけがをさせない
まず合気道で稽古をするのは、「受け身」からです。
後ろ受け身から始めて、前回り受け身、飛び越し受け身などを身につけていきます。
受け身ができない相手に技をかけることは、それこそ危険なので絶対にやってはいけません。
一方、技をかけるほうの心得で最初に教わるのが、相手にけがをさせない、ことです。具体的には、投げ技のときには相手が受け身を取りやすいように投げるようにします。
合気道は、武術を基本にして成立してきたものなので、少し工夫すると荒っぽくなる技が多いんです。例えば、投げ技のときに、相手の肘を折りながら・・・なんてことができるわけです。
しかし、安全に稽古するため、そういった危険な技のかけ方はしません。
ですので、いまさら始めてもけがが恐いなぁって思っているのなら、合気道は安全に配慮した武道ですよ、とお答えしたいと思います。
とはいえ、いくら気をつけていても、合気道に限らず、不測の事態は起こり得ますので、万が一のときのために必ずスポーツ保険には入っておきましょうね。
ではでは、また。
だいきち
合気道は、相手と気を合わせる
合わせる
合気道の技は、相手の力を利用します。
そのためには相手の力の動きを知って、相手の流れに逆らわずに、流れに合わせる必要があります。
しかし、この相手と合わせる、というのがとても難しい。
正直、黒帯になった今でも、なかなか難しい(汗)
合わせる、という感覚は、
片手取りでいうと、相手から手首を掴まれたときに相手の力がどのような状態にあるのかを察知して、相手の気の流れを感じながら、相手の中心(丹田)に力を合わせていきます。
わかります?(苦笑)
まずは相手を知ろうとする
相手の気の流れを感じるために、まずやらなければいけないこと。
自分から相手を知ろうとすること、です。
相手と気を合わせるために、まずは自分から気を出すのです。
相手はどんな状態なのかな?
何をしようとしているのかな?
そういう気持ちを出すのです。
相手に興味をしめす
普段の対人関係、コミュニケーションでも同じことがいえます。
相手と関係構築したいときには、まずは自分から相手に興味をしめす、好奇心をもって接する。
すると、相手がどんなことを考えていて、どういう人なのか、その人の中心部分を知ることができるようになり、良好な関係が築かれていきます。気が合う状態。これが、合気道の合わせる、ですね。
相手を動かしたり、導くのは、そのあと、なんです。
合っていないのに相手を無理やり動かそうとすると反発され、余計に動いてもらえなくなる事態になってしまいます。合気道でもこの状態になったら、技はかかりません。
もし、コミュニケーションに不安を持っているなら、まずは相手のことに興味を持つことから始めてみてはいかがでしょうか。
ではでは、また。
だいきち
合気道は武器を使う【短刀の巻】
短刀取り
剣、杖の話をしましたので、最後は短刀です。
護身術のイメージがあるので、合気道では短刀を使うことを知っている人は結構多いのかもしれません。
私も黒帯になって、やっと短刀取りの稽古ができるようなったときには、ついにここまできたか!って嬉しくなりました(^^)
もちろん、稽古で使うのは、木製の短刀です。
短刀での攻撃は4種類
短刀を持った相手の攻撃は4種類あります。
突き、正面打ち、横面打ち、後ろからの攻撃、です。その攻撃をかわし、短刀を取り上げて相手を制します。
突きは、短刀の刃が上を向くように持ち、自分の背中で隠すようにしておいてから突きます。
正面打ちは、逆手に持ち、振りかぶって、まっすぐに振り下ろします。
横面打ちは、逆手に持ち、振りかぶって、斜めに、相手のこめかみめがけて振り下ろします。
後ろからの攻撃は、相手の後ろから片手は相手の肩をつかみ、もう片方の手で短刀を背中に突きつけた状態から、突きます。
緊張感
短刀取りは緊張感が高い稽古のひとつです。
さすがに刃は木製なので、ミスがあって身体に触れても刺さることはありません。
しかし、相手がナイフを持ち、こちらは素手の場面を想像してみるとわかりますが、その恐怖は相当なものです。
そして、短刀が本物であると思いながら稽古をするので、どうしても腰が引けたり、相手との間合いが遠くなりがちで、なかなか懐に入っていけません。
そんな自分の内にある恐怖に克って、一歩踏み込むことができるようになるためには、稽古を繰り返していくしかありません。
ではでは、また。
だいきち
合気道は武器を使う【杖の巻】
杖(じょう)
合気道で使う武器は、剣、杖、短刀の三種類で、前回は剣の話をしました。
今回は杖についてです。
杖は、木剣よりも長い円柱状の棒です。
その棒で突いたり、振り下ろしたり、払ったり、いろんな動きで攻撃、防御をします。
気の動きがわかる
杖の稽古をしていて特に感じるのが、相手の気の動きというものが理解できてくる、ということです。
相手に杖を掴まれた場合、相手の力の流れや力点が杖を通じて瞬時にわかり、お互いに杖を掴みあっていても相手を簡単に倒して制することができます。
そういう稽古を続けることで、たとえ間合いが遠くても相手の気の動きがわかるようになり、体術でも技の精度が上がっていくことにつながっていくのです。
なめらかに杖を使えるようになってくると、余分な力が抜けて、しなやかで美しい合気道の動きができるようになってくるのを実感できます。
これまた、楽しい瞬間です。
ではでは、また。
だいきち
合気道は武器を使う【剣の巻】
稽古で使う武器は三種類
通常の稽古で使うのは、木剣、杖、短刀です。
まずは木剣。
もともと合気道は剣術を基本にしているので、木剣を使うのは当然といえば当然。
ただし、同じように木刀や竹刀を扱う剣道と比較すると、合気道の木剣の使い方はずいぶんと異なります。
剣道は、相手の面、小手、胴に竹刀が当たると一本!となります(突き、もありますね)。そのため、いかに相手よりも特定の部位に早く打ち込めるかが大切です。
一方、合気道の木剣の使い方は、本物の刀、真剣をもって相手を斬るような動きをします。そして、この動きがとても重要。
ある程度慣れてくると、相手の腕などを木剣に見立てて技をかけることができるようになってきます。そこにさらに、真剣で斬るような動きができると技の完成度が高くなり、技がきれいにきまってきます。
初心者のときでも、たとえば四方投げの稽古ではそのことをはっきりと実感できたし、その実感がまた、合気道楽しい‼って思う瞬間でもありました。
もうひとつ剣道と違うこと
剣道と合気道、剣の稽古で大きく違うことがまだまだあります。今回はもうひとつだけお話しします。
剣道の素振りは、ずっと同じ方向を向いて、ひたすら竹刀を振り続けるのに対して、合気道は、前後左右や斜め方向、つまり八方に向かって木剣を振るのです。
どういう意味合いがあるのかというと、剣道は稽古でも試合でも相対するのは一人。団体戦だろうが勝ち抜き戦だろうが、一人ずつと対戦します。
しかし、合気道は複数人を相手にすることを想定しているからです。周囲を複数人で囲まれても斬り抜けることができる、そういう稽古をしているのです。
ではでは、また。
だいきち
合気道の呼吸は、足でする!?
深呼吸
合気道の準備体操に、深呼吸があります。
仰向けに寝た状態でゆっくりと呼吸をします。
合気道の深呼吸の面白いところは、呼吸のイメージのしかたです。
足の親指から息を吸う
なんのこっちゃ??ですよね(笑)
合気道の準備体操では、次のように深呼吸をします。
・足の親指のつけねから息を吸って
・丹田(お臍の下辺り)を通して
・反対の足のかかとから息を吐く
うーん、怪しい(苦笑)
あくまでもそういうイメージで呼吸をする、ということです。実際には、鼻から息を吸って口から吐きます。
最初の頃は正直、まったくイメージすることができず、こんな感じでいいのかなぁ、とやや不安を持ちながらやっていました。
でも続けるうちになんとなくコツのようなものがつかめてくるし、自然体でできている感覚を感じてきます。
すると、普通に深呼吸したときよりも断然、深く腹式呼吸ができるようになりますし、全身に呼吸が行き渡っていくのがわかります。
さらに慣れてくると、ほんとうに足裏で呼吸をしている実感さえ出てきます。
「だいきちさん、ついに怪しい世界にどっぷり浸かってきましたね」
って、そんなあなたの声が聞こえてきそうです(笑)
いえいえ、そんな怪しいことではありません。
実は足裏呼吸法、というものは合気道に限らずに古くから行われていたのです。
健康法としてや武道の奥義を極めるために、経験則として絶大な効果を発揮していたからこそ、今でも続いている呼吸法の一つなのでしょう。
(そういえば、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」で、竜馬が気持ちを落ち着かせるために足の裏で呼吸をする、という場面もありましたね)
それが合気道にも有効と考えられて、準備体操の中に取り入れているのです。
ではでは、また。
だいきち
合気道って、誰でもできるのかな?
いろんな人が楽しんでいる
合気道は相手の力を合理的に利用するので、力の強くない人でもできるのも特徴です。
実際、一緒に稽古している人を見ても、中高生、大学生、ビジネスマン、定年退職した方など、老若男女、とても幅広い層の人たちがやっています。
謎の多い合気道なので敷居が高そうな感じもしますが、実は誰でも手軽にできる武道なんです。
合気道には引退がない
さらに、
普通の格闘技やスポーツは、ある年齢になると、体力の限界!などで引退していまいます。
その点、合気道は強い力を必要としないため、体力が落ちてきても稽古ができ、年齢を重ねても続けることができます。
ずっと体を動かすことができる一生ものの趣味にすることができます。
運動をする若い人が減っていたり、超高齢化社会に突入し健康寿命を延ばすことが大切になってきている日本において、うってつけの武道だと思いますよ。
ではでは、また。
だいきち